月別アーカイブ: 12月 2014

軌跡 【私の歩んできた道】 No6

ダイヤモンド・コースのファイナルテストは 3時間の筆記試験です。 このテストは、意外に緊張もせず、 自分としては良くできた感触でした。 点数ははっきりと憶えてはいないのですが、 90点前後だったと思います。 ただ、1問だけ今でも納得していない回答があります。 質問は、ダイヤモンドはなぜ硬いのかという 設問だったと思います。 私は、炭素原子同士の結晶内に於ける電子の共有結合によって 炭素原子同士の結合が強く非常に硬いと解答した。 結果はバツでした。 解答分の中に、モーススケールで10なので硬いと書かれていない と言われました。 シャーロンは私の解答は正しいといってなぐさめてくれたのですが、 ジム・ルーシー先生は認めてくれませんでした。 ま、ともかく合格したので良しとしましょう。 3日ほど休みが有って、カラーストーンの鑑別コースです。 またまた、大変な量の教科書や辞書。 これをどうやって4ヵ月で憶えるのと思うほどです。 丁度、カラーストーンのコースの途中に感謝祭の休みや クリスマス休暇が有ってアパートで籠って勉強できて良かったです。 1月1日だけは、パサデナ市であるローズパレードを見て その後、ローズボウルを観戦して、1月2日から授業が再開です。 アメリカでは、クリスマスは重要ですが新年は1日だけです。 日本人の私にとっては物足りない。 ロサンゼルスのすぐ近くでスキーが出来るのを皆さんご存知ですか。 フリーウェイをラスベガス方向に進み途中から少し北に上がった処に ビッグベア―マウンテンスキー場が在ります。 多分3~4時間で着きます。 カラーストーンコースは、兎に角、憶えないといけない事が多い。 多分、詰め込み教育を受けていた、私の世代の日本人には得意な人も 多いとは思いますが。 180種類から200種類のカラーストーンの 屈折率・比重・色・結晶構造・化学式・ 代表的な内包物・おもな産地等を憶えないといけない。 明けても暮れても暗記暗記・・・ 今年は、ここまで、 2015年が皆さまにとって良い年になりますように。

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ダイヤモンドのグレーディング -2-

前回からの続きですが、 グレード結果と価格が連動してしまうので、 バイヤーとしては例えばVS1からギリギリ上がった VVS2が得られるダイヤモンドを買うこと出来れば 一番利益が出て会社からは良い評価を得られるかもしれません。 カラーグレーディングとクラリティーグレディングは 官能検査ですので、グレーダ―1人1人でどうしても 微妙な差が出ます。 同じ内包物を見つけてもあるグレーダーは VVS2と評価してもう一人のグレーダーはVS1と 評価することは実際には少なくありません。 ただ、そのダイヤモンドの内包物やカラーが境界線ギリギリに ある場合のことです。 グレードのゾーンの中心付近のダイヤモンドは 余程の事がない限り同じ評価が出るはずです。 私は個人的には上のグレードに近いダイヤモンドと 下のグレードに近いダイヤモンドを同じ価格で販売するのには かなり抵抗があります。 そこで、当店の方針として下のグレードに近いものは 仕入れないようにしています。 この様な事が出来るのもG.I.AでGURADUATE GEMOLOGISTの資格を 得たうえで、30年以上の海外でのバイヤーとしての 買い付け経験が有るので言える事なのです。 私の会社は、卸売もしていますので輸入から卸業者まで 色々な事情が分かっています。 多くの小売店では、ダイヤモンドを1ピースづつ ルーペで検品をしないで仕入れている事が殆どです。 ましてや、多くの小売店には、GRADUATE GEMOLOGISTの資格を持った人すらいません。 それで、どのように消費者にダイヤモンドを 説明するのか不思議です。 ダイヤモンドの4Cは同じでも価値が違う見方がある事を 心に留めておいてください。

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ダイヤモンドのグレーディング

ここでチョットダイヤモンドのグレーディングについて 私の思う処ををお話ししてみたいと思います。 単に、ダイヤモンドをグレーディングしているだけでは、 感じなかったのですが、 アントワープやテル・アビブでバイヤーとして 買い付けを担当するようになって カラーやクラリティーのたったひとつの差で 価格が大きく変わるのに驚きました。 自然に出来たものを人間が決めた基準で評価していくので 必ず矛盾は存在します。 お店でダイヤモンドの価値は4Cで決まりますと 説明をされるとよりそう思うのかもしれません。 碁盤や将棋盤を思い浮かべて下さい。 碁は線の交差している所に石を置きます。 多くの方が、ダイヤモンドのグレーディングを この様に点と捉える方が多いのです。 これは、大きな誤りです。 将棋の様に線と線の間です。 ですから、一定の幅があるのです。 ただ、ダイヤモンドのグレーディングの幅は ハイグレードほど狭くなっています。 ですので、VVS1とVVS2の差は非常に 小さいものですしSI1とSI2の差は結構大きいものです。 しかし、自然界の物を何処かで線引きして分類することに なるので必ず線上にくるダイヤモンドも存在するのです。 そのダイヤモンドを良いグレードに評価するのと ワングレード下で評価するのでは、 価格的に10%~15%も違って来ます。 それとかVVS1に非常に近いVVS2もあれば、 VS1に近いVVS2も同じ価格。 実際の買い付けをでは、1日に3000個くらいの ダイヤモンドを見ていきますので、 忙しい日は機械的にグレーディングして行くしかないのですが、 時間的に余裕がある時は、 このピンポイントがもうすこし端の方にあればVVS1なの に惜しいなとか思いながら、 やはりこの価格では買えないと諦めたりすることも多々ありました。 本当は、間のグレードあっても良い筈です。 実は、30年くらい前まではVVS2-VS1と 表示するようなスピリットグレードが許されていた … 続きを読む

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軌跡 【私の歩んできた道】 No5

毎日、ダイヤモンドを顕微鏡を使って視ていると 内包物を見つけるコツが段々と分かってきます。 VVS1やVVS2クラスのダイヤモンドでも 比較的短時間で内包物を見つけられるように なってきて楽しくなりました。 VSクラスのダイヤモンドだったら顕微鏡を覗いたら 直ぐに見付けられるようになり、 テストに向けて自信を深めてゆきました。 しかし、テストの当日は、朝から緊張して トウィザーを持つ手が震えてなかなかダイヤモンドに 焦点が合わせられなくて困りました。 私が極度に緊張している事に向かいに座っている ヘレナが気づいて何時も通りすればきっと問題ないよと 声を掛けてくれました。 緊張をほぐすため教室に用意されているコーヒーメーカーで コーヒーをカップに注ぎゆっくりとカップ一杯の コーヒーを飲みました。 それからは、順調に5個のダイヤモンドの グレーディングを終えて解答用紙をジム・ルーシー先生に提出して 翌日の成績発表を何処かしら不安を感じながらアパートに帰りました。 その夜、ベットに入っても5個のダイヤモンドの内包物、 カラー、プロポーションが頭に浮かんで 最初のダイヤモンドの内包物はベーゼルファセットの下の ピンポイントだけだからVVS1で間違いはないはずだとか 2番目のダイヤモンドのカラーはGで間違いないはずだとか 色々思いだしてなかなか寝れない。 翌日、ジム・ルーシー先生から合格していることを 告げられるとホッとして同じテーブルの4人で握手した。 次は、ダイヤモンドコースの最終の筆記試験。本当に休む暇がない。  

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軌跡 【私の歩んできた道】 No4

私がG・I・Aに通学していた頃、 第二次オイルショックでアメリカでは ナンバープレイトの数字の奇数と偶数で ガソリンを給油出来る日が決められていた。 ナンバープレイトの数字が奇数であれば奇数の日に給油出来、 偶数であれば、偶数の日に給油出来ると 決められていました。 グランデール市からサンタモニカまで 片道一時間位だったので、ガソリンの消費も多くて、 貧乏留学生にとっては非常につらい。 たまたま、大学時代の教授の隣の部屋が空くというので ハリウッドにあるアパートに引っ越しました。 そのアパートからだったら、片道30分くらいで学校に着きます。 グリフィス天文台のすぐ下のあたりです。 ハリウッドブルバードやサンセットブルバードを通って ビバリーヒルズを抜けてなかなか楽しいドライブです。 しかし、座学はなかなか大変で専門用語に慣れるまで ジム・ルーシー先生の謂わんとするところを理解するのに苦労しました。 たとえば、ラスターとかブリリアンシーと光り方に関する単語が 沢山出てくるのですが、それまで宝石に全く縁の無かった私には、 違いのイメージが湧かない。 仕方がないので同じテーブルのシャーロンに聞いてやっと理解する というそんな毎日でした。 毎週、ペーパーテストもあるし最初の2週間くらいは大変でした。 大学の授業もそうでしたが物凄いスピードで進んでいくので、 中間試験までアッというまでした。 中間試験は、3時間の筆記試験で今のようにマルチプルチョイスではないので 英語で解答してゆくのも一苦労。 でも、なんとか合格して自分へのご褒美で 州立大学時代夏休みにバイトしていたお寿司屋さんに ディナーは高いのでランチを食べに行きました。 かなり安くしてくれるので大満足。 次は、ダイヤモンドを5ピース、 グレーディングする実技テスト。 それに向けて毎日黙々とダイヤモンドをチェックして行きます。

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軌跡 【私の歩んできた道】 No3

前回、私の斜め前に座っていたイスラエル人のカッターの娘さんの名前を忘れていて、 何か申し訳なくて必死に思いだそうとして、やっと思い出しました。 彼女の名前は、シャーロンです。 彼女は、前回も書いたようにクラスでも多分トップの成績だったと思います。 私もいろいろ教えてもらいました。 そのクラスで彼女とトップを競っていたのが実はシノハラ君でした。 確か、金沢の出身だと記憶しているのですが、間違っていたら御免なさい。 実技の授業が始まると、当たり前だけど本物のダイヤモンドを渡されて、 これがダイヤモンドかと緊張したのを今でもよく覚えています。 その、最初のダイヤモンドは0.18ctぐらいでした。 そのダイヤモンドを習った手順で初めて自分でグレーディングしました。 最初に、クラリティーを宝石を拡大してみる顕微鏡を使って検査していく。 10倍に拡大して視るとベアーデッドガードルが見えました。 他にインクルージョンが無いか物凄く緊張しながらも慎重に検査しました。 小さなピンポイントがあったけど、これは、VVS2でいいはずだと確信して。 次に、カラーをチェックしました。 この作業は、マスターストーンと呼ばれるダイヤモンドと比較しながら カラーを決定していきます。 この0.18CTのダイヤモンドを私は ” H ”であるとグレードして。 必要事項を全部記入した事を確認して、ジム・ルーシー先生に 見てもらいに行きました。 どう採点されるのか不安の一瞬でした。 その結果は、目測でしたクラウン角度が1度違っていたけど、 カラー、クラリティーが合っていたのでホットしたのを覚えています。 それから、午前中は座学で午後は実技の毎日です。 大体、1日に40個~50個本物のダイヤモンドをグレーディングして ダイヤモンドのコースにいる間に約1500個程のダイヤモンドを視たと思います。 毎日、ダイヤモンドを視ていると、中にはインクルージョンが絵のように見えるのがあった りで面白いですよ。

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軌跡 【私の歩んできた道】 No2

随分間が空いてしまいました。 申し訳ございません。 前回は、G.I.A.に入学するところまで書きましたが、 入学手続きを済ませて、教科書や宝石学の辞書などを 受け取っておどろきました。 GRADUATE GEMOLOGYのコースは、 DIAMONDのコースが約7週間とカラーストーンの鑑別のコースが 約26週間の約6カ月の短期集中のコースです。 それなのに教科書や辞書の量が凄い。 州立大学の授業の密度も凄いと思ったけど、G.I.A.もなかなか大変そう。 当時、住んでいたグランデール市からG.I.A.の在った サンタモニカまでフリーウェイを乗り継いで片道一時間弱ドライブして 通学を始めました。 DIAMONDコースの担任はジム・ルーシー先生です。 そして、私のクラスは24人で始まりました。 24人の国籍も凄い。 日本人が4人、イスラエル人が1人、ノルウェイ人が1人、 カナダ人が3人、香港から3人、台湾から1人、 南アフリカ人が1人、タイ人が2人、フランス人が1人、 イラン人が2人、そして5人のアメリカ人。 国籍は、結構いろいろだけど、人種的には、ユダヤ系の人達と 中国系の人達が多い印象だったと思う。 机は4人掛けでよく学校の理科の実験室にあるような感じの机です。 僕の隣が香港から来たローレンス、 向いがハンガリー系アメリカ人のエレナ、 斜め向かいがイスラエルから来たダイアモンドカッターの娘さんで アッ 名前が出てこない。 また、思いだしたら書きます。 でも、この女性がクラスでトップの成績だったと記憶しているのですが。 そして、最初の授業で、ジム・ルーシー先生の一言で みんなに緊張が走った 「6ヶ月後、無事に卒業出来るのはクラスの約半分しかいないだろう。」 みんな顔を見合わせて、驚きと心の中では、 誰が残り誰が落第するのかと思った。 その日は、オリエンテーションだけで毎週テストがあること、 中間試験と期末試験の筆記試験があること、 合格点が70点であること、5個のダイヤモンドを鑑定する 実技試験があること等の説明があった。 話を聞いているうちに本当に大変な学校なんだと思った。 … 続きを読む

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